会話形式で楽しく学ぶ人事労務管理の基礎講座
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文書作成日:2020/10/08


 坂本工業では、久し振りにパートタイマーを採用することになり、来月からの入社が決まった。そろそろ労働条件通知書を作成しようとしたところ、社労士が訪問することになっていたため、労働条件通知書のひな型が現行のもので問題ないか確認することにした。

 こんにちは。パートタイマー(正社員よりも所定労働時間の短い労働者)を採用することになり、来月入社のため、そろそろ労働条件通知書の準備をしようと考えています。久し振りに労働条件通知書を作成しますので、現在使っているひな型で問題ないのか、点検してもらえませんか?

 わかりました。それでは確認してみましょう。(労働条件通知書のひな型を見ながら)昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無、相談窓口の4つについては、パートタイマーに対して文書の交付等で明示する必要があります。正社員には明示義務はないことから、記載が漏れやすいのですが問題ありませんね。特に、相談窓口については、その他の3つについての明示が義務付けられた後に追加されたため、漏れていることがあります。

 なるほど。改めて確認ですが、相談窓口とはどのようなもので、個人名まで記載が必要なのでしょうか?

 相談窓口の明示の前提として、パートタイマーの雇用管理の改善等に関する事項について、パートタイマーから相談があった際に、対応するための体制を整備することが義務づけられています。どこに相談すればよいのか分かりやすくするために、相談窓口の明示が求められています。記載については、部署名でも、担当者名まで記載してもどちらでも問題ありません。

 なるほど、どこに相談すればよいのか分かるようにしておくということですね。

 はい、そうです。

 先ほどの4つの中に退職手当がありましたが、それについて確認したいことがあります。パートタイマーには退職金制度はありませんが、今後、設ける方向で検討しています。例えば勤続3年以上を対象とする場合、どのように記載することになるのでしょうか?

 雇入れの際に労働条件通知書を交付する場合、まだ1年目になるため、支給要件を満たさないことになります。このような場合は、「無」と記載することになります。ただし、雇用契約の締結において、契約期間満了後、「自動的に更新する」や「更新する場合はあり得る」など、雇用継続の可能性がある場合では、契約を更新することにより退職金の支給対象となる可能性があります。このような場合、「有(勤続3年以上を支給対象とする)」や「勤続年数3年未満は不支給」と記載する方法でも、明示義務を果たしたことになります。

 なるほど。誤解のないような記載が必要ですね。

 昇給の有無の記載についても、確認させてください。契約期間中に時給を見直すことはないのですが、契約更新時に時給を引き上げることはあります。昇給についてどのように記載することになるのでしょうか?

 昇給は契約期間中の賃金の増額を指します。そのため、契約更新時に時給を引き上げることは昇給には該当しません。この場合、「昇給なし」と記載します。契約更新時に時給を引き上げることがあるということについては、労働条件通知書を渡す際に、口頭で説明を加えてもよいのではないでしょうか。

 わかりました。これまで、過去に作成した書式をベースに書き換えていましたが、何を記載する必要があるのかを理解して、労働条件通知書を作成することが重要ですね。

 そうですね。なお、御社は中小企業区分に該当するため、上記の4つの項目はパートタイマーのみが対象となりますが、2021年4月からは、パートタイマーだけでなく契約社員(正社員と所定労働時間が同じ有期契約労働者)についても対象となります。例えば有期雇用として正社員と同じフルタイムで勤務する、1年更新の契約社員が該当します。

 当社では、契約社員はいませんが、定年後に嘱託社員となる人はフルタイムの有期契約となることがあるため、その嘱託社員の労働条件通知書のひな型の見直しが必要になるということですね。いまのうちに、ひな型を更改しておくようにします。

>>次回に続く



 2020年4月1日にパートタイム・有期雇用労働法(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)が施行されましたが、中小企業については2021年4月1日に適用となります。そのため、2021年3月31日まで、パートタイム労働法が適用されています。
 
 中小企業の範囲については、「資本金の額または出資の総額」と「常時使用する労働者の数」のいずれかが以下の基準を満たしていれば、中小企業に該当すると判断されます。なお、常時使用する労働者の数は、事業場単位ではなく企業単位で判断します。資本金を増資したり、労働者数が増加している場合もあることから、自社が中小企業区分に該当しているか否かの確認もしておきましょう。


■参考リンク
厚生労働省「パートタイム労働者、有期雇用労働者の雇用管理の改善のために」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000046152.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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