医療福祉の労務情報
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文書作成日:2020/01/31


 今回は、身元保証書についての相談です。




 当院では、採用時に「身元保証書」を提出してもらっていますが、具体的にどこまで効力があるのでしょうか。また、注意点があれば、その内容を教えてください。




 身元保証契約とは、職員が医院に何らかの損害を与えた場合に、職員と身元保証人(以下「保証人」という)が連帯してその賠償を行うというものです。2020年4月より、保証に関して改正された民法が施行となり、2020年4月1日以降に身元保証契約が成立する身元保証書について、保証人が支払いの責任を負う金額の上限となる極度額(上限額)の記載がない場合、契約自体が無効となります。




1.身元保証書の効力
 仮に職員が医院に大きな損害を与えたときに、職員から身元保証書の提出があったとしても、保証人保護を目的として、その責任範囲は法律で定められています。保証人の責任やその金額は、一切の事情を考慮して、裁判所が合理的な額を決定すべきとされており、実際に発生した損害が全額賠償されるとは限りません。
 また、身元保証書に記載された内容の保証期間は、原則として3年となり、別途書面の中で期間を定めたとしても5年を超えることはできません。

2.民法改正に伴う留意点
 2020年4月から保証に関する民法の規定が大きく変わります。個人の保証人が、将来想定外の債務を負うことを防ぐため、保証人が支払いの責任を負う金額の上限となる「極度額」を「〇〇円」と明瞭に定めなければ、身元保証契約は無効となります。
 そのため、4月以降、身元保証書へ極度額を記載するときに、あまり高額な極度額を定めると、身元保証をしてくれる人が見つからないという事態になりかねません。身元保証書へ極度額を記載する場合、いくらに設定するかについて検討する必要があります。

3.身元保証書を提出してもらう目的
 身元保証書の提出は、法律で義務付けられたものではなく、今まで保証人へ賠償請求したことはないが、念のため提出させておくなど、制度や運用自体が形骸化しているケースも珍しくありません。身元保証書には、損害が起こったときの賠償という目的だけでなく、保証人に対して、職員が医院で働くことへの監督責任や、職員本人に対して、医院で働くという自覚を促す効力も見込まれます。

 今回の民法改正を機会ととらえ、身元保証書の必要性や目的を改めて考え、極度額を記載するのか、あるいは身元保証制度自体の見直しを行うのかを含めて、幅広い議論を行うことが求められます。


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